今回の記事では、紀元前に活躍した哲学者である「アリストテレス」について学んだことを、私なりに解釈してみました。
目次
万学の祖と呼ばれたアリストテレス
アリストテレスは、万学の祖と呼ばれていますが、それはなぜだかわかりますか?
彼は、天文学や地学、気象学などの現代の学問のはじまりとなる学問(自然科学)を始めたことから、万学の祖と呼ばれています。
では、なぜ、そういった学問(自然科学)を始めることができたのか?ただ単に天才だったからでしょうか?そうではないように感じます。
アリストテレスは現実主義的な思想から、自然科学に行き着いた
アリストテレスが活躍したころ、彼の生きていた紀元前ギリシアでは、哲学の世界において、プラトンによってイデア論が唱えられていました。
イデア論の思想は、理解するとおもしろい概念・思想です。結構抽象的で「イデア」が存在すると仮定すれば成り立つ思想ではあるのですが、実に空想的な考え方でもあります。学問的な体系がない時代にこれを思いつくのは、マジで天才だと思います。
しかし、そのイデア論に異を唱えたのが、アリストテレスでした。
そして、それが結果的に現代の学問に繋がっているというわけですね。
アリストテレスは、国家についても分析した
アリストテレスが生きていた時代は、今と違って、国家というものがより大きな存在でした。
それは、政治制度や王朝が変わることで、今までの常識が覆るのが当たり前の時代だったことなどが理由としてあります。また、世界のことを知らない一般的な人間にとっては、国家というものが世界のすべてに近い存在だったのではないかと思っています。
これは、日本においても近代まで同じことが言えたと思いますし、今もそういった価値観は世界中にあり、また、日本においてもそういう価値観が当たり前の世界となってもおかしくはないと思います。
アリストテレスが分類した政治・国家とは
国家というものが今よりさらに大きな存在だった時代、政治制度の良しあしや、国家について考えることは、「どの制度がよりよいか」という価値観に近いものでした。
しかし、アリストテレスは、1つの政治制度を悪だとか善だとかと言ったわけではなく、どんな政治制度があるのかを分類・比較を行いました。
・君主制
・貴族制
・民主制
の3つに分類し、それぞれのメリットとデメリットを考察しました。
現代においても、日本は民主制という結論にたどり着き、なんとかいっています(少なくとも昔はうまくいってた)が、民主主義も社会主義も、なんとかうまく回るようにいろんな要素を取り入れつつ、こなしているといった感じでしょうか?
つまり、最強の政治制度を考えても一長一短で最良・最強のものはないとわかりますよね。
それと同じように、アリストテレスも、政治制度について、最良というものを見出すことはありませんでした。
つまり、彼が見出した「最良のものはない」という結論は、歴史によって証明されたということになります。
論理学という現代の常識を生み出したアリストテレス
「論理的」といえば、今では当たり前に知られている言葉ですが、アリストテレス以前の時代では、論理というもの自体があまり通念としてありませんでした。
そもそも、論理とは、人間の思考の形式そのものです。しかし、それを文章としたり、規則として理解するまでには至っていなかったというわけです。
現代では当たり前な「三段論法」
アリストテレスは、三段論法によって学問を体系化しました。
人間の思考にとって、経験的にも当たり前として理解できるこの論法によって、アリストテレスの論じた内容について、人々は正しいと認めざるを得なかったわけです。
アリストテレスは、それまでの時代の哲学者というよりは、今の学者に近い気がする
ここまで、あっさりとではありますが、アリストテレスについて調べてみて、「アリストテレスはそれ以前の哲学者とは全然違うな」と思いました。
というのも、信仰や空想の内容から正しいと思えるものを導くのではなく、現実にあるものを観察することをプロセスとしているからです。哲学者というより、科学者だなあと感じました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。意見等あればコメントまでよろしくお願いします。