太宰治の「人間失格」を今更ながら読みました。
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人間失格を呼んだ理由:又吉直樹さんのYouTubeチャンネル
読んだきっかけは、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんのYouTubeチャンネル、渦を見ていて、「こんな風に文章を読めるようになりたいなあ」と感じたからでした。
又吉直樹さんは、太宰治の「人間失格」を100回以上読んでいるらしく、読み直すたびに新たな発見・新たな楽しみ方を発見するそうです。
そのため、まずは「人間失格」から読んでみようかと思ったというわけでした。
(ちなみに、人間失格は過去にも読もうと思ったことが数回あり、実は2冊持っていました...)
太宰治にハマる人は、人間失格を読んで自分のことだと感じるらしい
太宰治の文章は、潜在的に読者に呼びかけるような書き方がされているところがあり、まるで自分1人に語りかけられているように感じるところがあります。
さらに、俗にいう中二病を患った事がある人にとっては、特に共感できる部分も多く、太宰はまるで自分の唯一の理解者なのではないかと感じる人もいるんだと思います。
ちなみに、人間失格は分厚い本でもないので、読みやすい文学作品だと思います。
人間失格は、太宰の内面的・精神的自伝である
太宰治は、東北で生まれ育った事、大地主の家に生まれた事、そして六男として育った事、そうした本人の力で変えることのできない宿命によって、東京に対するコンプレックスや反骨精神など、様々な精神・性格を形作ったのだと思います。
他の作品とは異なり、太宰なりの真実を追求する気持ちや、内面を語るような文章であり、1つ1つの描写を想像するのにとても苦労するほどの深さがある作品だと私は感じました。
ですので、この作品はずっと愛され続けるし、影響を受ける作品も多いよなあと思いました。
ですので、上記に書いた感想も、間違っているところがあればご指摘頂きたいですし、ご意見もコメントの方にいただけましたら嬉しいです。
「人間失格」に影響を受けているであろう作品:おまけ
ここからは、太宰治の「人間失格」の影響を受けているであろう作品を紹介します。
西加奈子「舞台」
私は、実は西加奈子さんの小説についてもかなり好きで、この一冊は特に何度も読み返しました。
この作品は、「主人公の葉太がニューヨークで「自分」を発見し、見つめなおす」そんなお話です。
主人公の葉太自身は、「人間失格」の主人公である葉蔵と自信を重ねており、太宰治の「人間失格」を愛しているという設定となっております。
主人公の葉太は、人間失格の主人公葉蔵とは異なる部分も多いです。
羞恥心を激しく抱きやすいところや他人に対し自分を欺くことで自我を保っているところなど、どこか葉蔵と重なる部分も多く、「人間失格」を読んでから「舞台」を読むとさらに面白いことは間違いないと思います。